このページはB3の学生さんが、研究室配属に際して参考にするために書かれています。以下を参考にして、研究室選びの参考にしてください。
さて、大石研は自由な気風で楽しく研究をしています。皆さんもぜひ仲間に加わって下さい!
研究室のある場所を示します。 研究室は63号館4階です。柏木研究室と共同です。また、63号館4階にはクラスターコンピュータ室もあります。シルマンホール8階とラムダックスビル9階902にプロジェクト室があります。
数学を習うと頭が痛くなる...誰しもそんな経験をしたことがあると思います。
では、難しい数学の問題をすらすら解くコンピュータを作れないかな?
これが夢です。
数学の問題を解くためのソフトウエアとしては数式処理プログラムが考えられてきました。
MATHEMATICAやMAPLE
がその例です。早稲田大学では両方のソフトともサイトライセンスさせています。富士通や神戸大学では日本発の優れた数式処理プログラムを作っています。
もう、一つは精度保証付き数値計算です。大石研はこの分野で20年以上頑張ってきました。
コンピュータの数値計算結果が何桁まで正しいか、また、数値計算によって問題の解が存在するかなどを示してしまおうというのが、精度保証つき数値計算です。
コンピュータができて50年、これは難しいことと思われていました。原理的にできても時間がかかるにちがいない。
ところが、ある日、まったく簡単にできることがわかりました。計算時間も近似解を求めるのとほぼ同じ時間でできます。
これは、大石にとってもまったく意外でした。
あれ、こんなに早く精度保証ができてしまうと世の中が変わってしまわないかな?
そう、世の中を変えよう!
数学者は頭がいい。数学者が問題を解くのと、我々がコンピュータで問題を解くのとどっちが先か?
カオスは力学系理論と呼ばれる数学理論がある。でも、現実のカオス系に適用しようとすると、数学的な論理だけでは難しい。
精度保証つき数値計算でカオス理論を作ろう。先輩もやっていますから、一緒に安心してできます。
まず、非線形常微分方程式の解が存在することの証明を計算機にやらせてみます。これはもうすでに理論ができていて、ソフトウエアも作られていましたが、クラスターを用いてもう一度初めからから作り直します。基礎ができているから安心で、クラスターの勉強にもなります
数値計算のいろいろな分野の問題の精度保証法を発明しましょう。
VLSIの配線問題には、幾何学的な問題が現れる。
例えば、線と点が同一平面状にあるとき、点がこの線のどちらのサイドにあるかは、内積を計算するとわかる。
しかし、ここに浮動小数点数演算の誤差が入ると微妙である。
VLSIの設計においては、このような誤差でチップの設計ミスが生じる可能性がある。
このような問題に対して、高精度で高速な内積計算アルゴリズムで対処することが考えられる。
このような高精度、高速な内積計算アルゴリズムは高度に発達してきている。
今年は、この高速、高精度内積計算アルゴリズムを精度保証つき数値計算の分野に応用することと、逆にVLSI設計に必要な幾何学アルゴリズムに応用することを研究する。
講師の人が研究しているので、すぐに卒論に取りかかれます。
MATLABと同様の機能をもつインタプリタを作ろう。大石はSlabを作りました。下のスクリーンショットはその実行例です。
これの機能を拡張したいと思います。
どちらも修士の先輩がいますから、安心です。
大石研では今16台のサーバーからなるPCクラスターを作って走らせています。また、21COEプロジェクトでは128台のサーバーからなるクラスターが導入されました。MPIなどを利用してやその上で並列、分散数値計算アルゴリズムの研究をします。
多くの修士の学生がいますので、卒論は絶対安心です。
計算機の構成を知らなくても計算機を利用できる環境を作る 。それがグリッドの目標です。知のグリッドは、これにネットワーク上の知的な情報も加え、この問題を解くならこれを利用すべきだという知的判断をするエージェントを作ろうというものです。NetSolveというのが既にありますが、これはMATLABと同様近似だけですが、精度保証を行うことに力点をおきます。
修士の学生がやっていますから安心です。
CGの基本アルゴリズムの研究を中心に研究を行ってきましたが、CGで映画を作るのを夢に掲げて、昨年から新しくスタートしました。皆さんの卒論時にはアニメーションを作成したいと考えています。
GITIの先生方の協力を得たいと思っています。
以上をまとめて卒論テーマとして一覧表にしてみましょう。ついでに参考文献/参考webも挙げます。
卒論テーマ | 内容と参考資料 |
1. CGのアルゴリズム | 大石研の卒業生で中央大学教授の牧野光則先生(コンピュータグラフィックスの先生)と共同でCGアルゴリズムについて研究します。オーロラ、虹、回る独楽、ロボット技術による人体表現、花火、シャボン玉などが過去にアルゴリズム化されています。 |
2. CGによる映画製作 | 昨年からCGによる映画製作をめざして研究をスタートしました。今までの大石研のアルゴリズム研究を集大成させて、アニメーションを作成する準備を進めたいと思っています。 |
3. PCクラスタの製作と並列分散数値計算環境の構築の研究 | 数万次元の連立一方程式を精度保証付きで解くためのPCクラスタを作成し、その上で、並列分散保証システムを構築します。現在は8台のサーバーによるPCクラスタとその上の並列分散環境がありますが。これを16台のサーバーによるシステムにするのが目標です。大石研の研究発表のppt。 |
4. Java言語によるMATLABクローンとなる数値計算ツール(インタプリタ言語)の作成 | 大石先生の作成したSlab(これはC言語によって書かれている)と同様なインタプリタをJave言語によって書く。パーサーと字句解析ソフトウエアであるBysonとFlexのJavaクローンを利用し、プラットホーム非依存の数値計算ツールを作成する。GUIも製作する。数値計算用ライブラリとしてはJLAPACKなどを想定する。 |
5. 並列化Slabの作成 | 3.で作成したPCクラスタ上で動作するSlabの並列バージョンを作成する。 |
6. 知的グリッド-精度保証エージェント | NetSolveを参考に、計算機システムを意識することなく、精度保証付き数値計算を行う環境を提供するエージェントシステムを開発する。 |
7. カオス系の精度保証理論 | 分岐現象の精度保証理論とアルゴリズムを開発する。例題としてはカオス系として有名なDuffing方程式、Lorenz方程式などを取り上げる。 |
8, マルチグリッド法の精度保証 | 偏微分方程式など物理系に関連して現れる連立一次方程式の構造を利用した、高速解法がある。それを利用して、高速精度保証するための理論とアルゴリズムを研究する。 |
9. 固有値問題に対する並列精度保証 | 固有値問題は理工学において応用が広い重要な問題である。ここでは、高次元固有値問題をPCクラスターを利用して精度補書付き数値計算するための理論とアルゴリズムを開発する。 |
10. 高精度・高速内積計算アルゴリズムと応用 | 浮動小数点数を要素とするベクトルの内積を厳密かつ高速に計算するアルゴリズムとその精度保証付き数値計算への応用の研究 |
3年では パソコンを部品から買出し、組み立て、必要なOSとソフトウエアを導入し、ホームページを開設するまでを講究の時間に体験します。また、希望により別のテーマの設定もできます。
4年では、卒論の準備セミナー、その後はテーマを各人に相談のうえ設定して、先生、助手、ドクター、マスターの人が相談に乗りながら丁寧に指導します。上の研究テーマから選んだり各人の希望によりテーマが決定されます。
10月には、研究室新入生歓迎コンパ。12月には川奈でおいしい魚料理を食べながら卒論中間報告会をしたいと考えています。
3月はオイコン。
4月は、進級お祝いコンパ。
夏休みは研究室旅行をします。今年は軽井沢追分セミナーハウスの合宿でした。
その他、海外で開かれるシンポジウムに参加します。
国内で開催されるシンポジウムで発表するとき、多くの参加があると、準研究室旅行となります。
大石研のポリシーとして、春休み、夏休みは、各自がしたいことを自由にする期間ということにしています。海外旅行に行く人(ドイツ精度保証数値計算の旅など)、寝てる人、山に登る人など自由です。研究したい人には研究できる環境も休みなく用意されています。
このページのURIはhttp://www.oishi.info.waseda.ac.jp/~oishi/lab-intro/intro.htm
最終更新 2009/2/1