皆さんは受験勉強でお忙しいことと思います。でも,ときには,誰がどうやって数学や科学を作ってきたんだろう。と想像してみてください。歴史は大人になってから見直すとどんどん面白くなってきますよ。
証明を伴う数学は古代ギリシャ人の発明であるといわれています。アルキメデスは定積分を発明したといっても過言でないといわれています。一方,微分はニュートンやライプニッツが発明したといってもいいと思います。よって,
積分が先である
といえるでしょう。そこで,log xの微分が1/xになると学ぶよりも,1/xの積分がlog xになることを学ぶ方が自然なんだと大石教授は考えています。1/xの積分がlog xになることを発見する歴史は結構大変で面白いんですよ。そこで,大筋歴史的な順で微積分を学習していくとどうなるんだろうと大石教授は考えました。その結果,
「微積分とモデリングの数理」(2000) 朝倉書店
という本を書きました。歴史的な順にしたがって微積分を学べるようになっています。
この本の中に出てくるちょっと意外と思われることを列挙してみましょう。
[ホームページでの記述] ヒルベルトの第18問題の一つが次の問題である。これが精度保証付き数値計算で解決した。
Thomas C. Hales:``Cannonballs and Honeycombs'', Notices of the AMS, Vol. 47, No.4 (2000/4) pp.440-449 には立方体に球を充填する際に,どのような方法が最も多く球を充填できるかという問題に対する,ケプラーの予想が正しいことの計算機援用証明が示されている。ケプラーは天体物理の学者であると同時に微積分などにも多くの貢献をした優れた数学者であったが,300年以上証明がつけられていなかったケプラー予想の証明が精度保証付き数値計算によって,つい最近解かれた。充填問題は情報理論でも応用のある基本問題である。
これらの内容を含む歴史の不思議を味わいながら微積分を学ぶと,数学が見えてきます。
最後に,外国のものになりますが,とてもすてきな数学の歴史博物館にご招待します。
(1) 数学の歴史において重要な仕事をした数学者のプロフィール。
(2) ギリシャ数学の博物館。古代ギリシャの科学者が書いた著作のラテン語訳の表紙などを見ることができる。
(3) ライプニッツは科学だけに限らず幅広い活躍をした。
(5) 惑星の運動や重力の研究の科学史。
(6) 微積分学には色々な定数が登場する。これらも含め、数学的に重要な定数に関するホームページ。
大石教授を含め教授のホームページには講義の予習復習をするための情報が提供されています。大石教授の昨年度の講義科目
「情報系の物理学」(情報学科2年生の)
の講義のページを覗いていってみてください。学生のレポートがとても力作揃いなのがわかりますよ。
では,なにかありましたらメールを大石教授に送ってみてください。教授はすぐにお返事しますといっていました。大石教授へのメールは
をクリックすると出せます。
このページのURIはhttp://www.oishi.info.waseda.ac.jp/~oishi/intro/intro-2.htm
最終更新 2001/5/19