回路(あるいは電気回路)とは 、電気現象をモデル化したものである。回路モデルでは、回路は回路素子が(完全に損失のない)導線によって結ばれたものであると考える。回路を表した図である、回路図は 回路の視覚的な表現である。回路図は同じ回路モデルでも色々な変形があり得る。 数学的には、回路は節点と枝の集合であるグラフによって、表現される。ただし、節点とは、回路のある一点のことであるが、この一点から完全導体である導線のみによって移動できる範囲は同じ節点と考える(同じ電位の場所)。また、枝は節点と節点のペアによって表されるが、枝には回路素子が対応するものと考える。 ここでは、回路素子モデルとして、抵抗と定電圧源、定電流源だけを考える。これらの回路素子が完全導体である導線(これもモデル)によって結合された回路が直流回路である。
抵抗は一つの回路素子モデルである。まず、抵抗(モデルとしての)素子から考察を始める。
図のように2つの端子をもつ素子の、端子電流がiアンペア、端子電圧がvボルトであるとき
v=Ri (Rは非負定数) (1)
となるような回路素子を抵抗器(簡単化して抵抗)という。Rを抵抗という。
ポイント 電圧の矢印は矢の頭の電位から矢の根の電位を引く意味で用いる。通常抵抗など2端子素子の電流と電圧の向きは上の図のようにし、その方向に測定する。
式(1)は電圧と電流が時間によって変化する場合でも成り立つ:
v(t)=Ri(t) (2)
また、式(1)は
i=v/R=Gv (3)
の形に書くこともできる。このとき、G=1/Rはコンダクタンス(conductance)という。
銅線などにおいては式(1)が成り立つことがオームによって発見された。銅線などの抵抗器(物理的なもの)において式(1)が成立するとき、これをオームの法則という。
(1) オームの業績の紹介のページへのリンク
Georg Simon Ohm (オームの業績の数学的側面からの紹介)
Georg Simon Ohm (1787-1854) (平易な解説)
(2) 電池を発明したVoltaの紹介のページへのリンク
Alessandro Volta (1745-1827) (平易な解説)
Alessandro Volta (詳しい業績)
(3) 講義の内容 教科書 pp.1-2 ポイント 電圧と電流の向きの定義(4) オームの法則の発見の出版 1827年「 電気回路の数学的研究」(Die galvanische Kette, mathematisch bearbeitet (1827) )というオームが著した本の中に記述がある。
(5) オームは実験的にオームの法則を確認する装置を作る際に、最初はボルタの電池を利用した装置を作ったがうまくいかなかった。そこでゼーベックの熱電対を利用した装置を作って測定に成功した。
問1. なぜ、ボルタの電池ではうまくいかなかったのか。また、オームの実験装置はどのようなもので、どうやってオームの法則を発見したのか調べよ。
(1) 講義の内容 教科書 pp.2-4
(1.1) 抵抗の直列接続
図の回路において、R=v/iを2つの抵抗RaとRbの直列抵抗という。節点o,a,bの電位をvo',va',vb'とすると、
v=va'-vo,
va=va'-vb',
vb=vb'-vo'
が成立する。これから
v=va'-vo'=va'+(-vb'+vb')-vo'=(va'-vb')+(vb'-vo')=va+vb
が成立する。
v=va+vb (4)
の関係式は後のキルヒホッフの第2法則に相当する(回路素子のつながり方から来る関係式で、素子が何であっても成立する)。
va=Ra i, vb = Rb i
であるから、式(4)から
v=(Ra + Rb)i (5)
を得る。したがって、直列抵抗は
R = Ra + Rb
と求められる。
i = v/R = v/(Ra + Rb)
であるから、
va = Ra i = [Ra/(Ra + Rb)]v (6a)
vb = Rb i = [Rb/(Ra +Rb)]v (6b)
が成立する。すなわち、vaとvbはvをRaとRbの比で分けたものになっている。
(2.2) 抵抗の並列接続
並列接続のとき
i=ia + ib (7)
が成立する。これは電流連続の方程式であり、後のキルヒホッフの第一法則に対応する(この関係も素子には無関係に接続関係だけから成り立つ性質)。
Ga = 1/Ra, Gb = 1/Rb
とすれば、
ia = Ga v, ib = Gb v
が成立する。こうして、直列接続において、vをiに、iをvに、RをGに置き換えれば、まったく同じ式変形により、
G = Ga + Gb
ia = [Ga/(Ga + Gb)]v,
ib = [Gb/(Ga + Gb)]v
が成り立つ。すなわち、iaとibはiをGaとGbの比で分けたものになっている。
(2) ホイートストーンブリッジ(発音)回路が例題としては重要
(2.1) ホイートストーンとは誰かは以下のリンクで
A D V E N T U R E S in C Y B E R S O U N D Charles Wheatstone, Sir : 1802 - 1875
Sir Charles Wheatstone, b. February 6, 1802, Barnwood, England, d. October 19, 1875, Paris, France
(2.2) ホイートストーンブリッジ回路については次が詳しい
Wheatstone Bridges: Introduction
(2.3) 測定装置の写真としては次が詳しい
(2.4) 腕試しの演習問題を解くなら
問2. ホイートストーンブリッジ回路を発明したのはホイートストーンではない、誰か?
(1) 講義の内容 教科書pp.4-7
(1-1) 定電圧源
両端子間に接続される負荷に関係なく
v = E
となる2端子素子を直流電圧源または定電圧源という。ただし、vはこの2端子素子の両端の電圧である。
端子間を短絡している状態でも両端子間に電圧Eが現れるとは考えにくいので、内部抵抗Rを考えることがある(次の図)。
v = [RL/(RL + R)] E
であるからRがゼロに近づく極限で理想電源に近づく。
(1-2) 定電流源
両端の負荷に関係なく
i = J
となる2端子素子を直流電流源または定電流源という。ただし、iはこの2端子素子から流出する電流である。両端を開放している状態でも一定の電流を流し続けるというのは物理的に奇妙なので次の図
のように内部抵抗Rを考えることもある。この場合、並列接続された抵抗の解析結果から
i = [R/(R + RL)] J
が成立する。よって、Rが無限大となる極限で、内部抵抗を持つ電流源は理想直流電流源に近づく。
(2) ポイント 電圧源と電流源の等価変換
内部抵抗をもつ直流電流源と内部抵抗をもつ直流電圧源は同じ内部抵抗Rを持つとき、
E=RJ (または J=E/R)
という関係式が成立していると、両者の開放電圧と短絡電流が等しくなる。その意味で両者は等価である。
(1) 講義内容 教科書pp.7-8
電磁気学(高校の物理)で学んだように、導線の中では電位の差があると電流が流れる。いわば、水道管の両端に水の圧力差があると水が流れるのに似ている。電位の差を電圧というのであった。Qという電荷量を持つ電荷が、電圧Vの端子間を動いたとき、電荷になされる仕事量Wは
W=QV
で与えられる。2端子素子の両端の電圧がVで電流がIであるとき、この素子の中で電圧によって電荷は移動し、素子にはそれによってエネルギーが加えられていることになる。単位時間に2端子素子が受け取る仕事量を電力という。時間間隔Tの間にQという電荷が移動したとすると、その電荷の移動によって電荷が受け取るエネルギーは
W=QV
であったから、この2端子素子の電力は
P=W/T=QV/T=(Q/T)V
となる。Tを十分小さい時間間隔と思えば、I=Q/Tとなるので、
P=IV
となる。
(1) キルヒホッフとは誰かについて
Gustav Robert Kirchhoff (数学的な側面からの業績の紹介)
Gustav Robert Kirchhoff, born March 12, 1824, Ko¨nigsberg, Prussia [now Kaliningrad, Russia] , died Oct. 17, 1887, Berlin, Germany (平易な紹介)
(2) Kirchhoff's Voltage Law (KVL) これをキルヒホッフの電圧則(第二法則)という。
(3) Kirchhoff's Current Law (KCL) これをキルヒホッフの電流則(第一法則)という。
(1) 直流回路の電流と電圧は、回路素子の接続の様子(これを回路のトポロジーという)によってKVLとKCLから導かれる関係式と、2端子素子の特性による、素子の両端の電圧と流れる電流の関係式を適切に組み合わせることにより、得られる連立一次方程式から決定できる(例題)。このことは大変重要なことであるので、後に詳しく解説する。
(2) ここでは、そのような連立一次方程式の解き方を調べてみよう。
(2-1) 回路方程式を手で解く
これは回路理論の理解やモデル解析のため小さな回路方程式を解くときなどに是非やらねばならないことである。教科書にあるクラメールの公式の紹介は、一年生の線形代数でも習った方式である。しかし、未知数が3つより多い場合などクラメルの公式で解くということは非現実的に計算の手数がかかり無理である。数学で習った公式で、現実に適用するときまったく役に立たない(使ってはいけない)公式の代表例がクラメルの公式である(もちろんクラメルの公式にまったく意義がないといっているわけではない。少なくとも連立一次方程式の解を陽に表している意味で意義が大きい。歴史的には第2種の線形フレッドホルム型積分方程式の解の公式であるフレッドホルムの公式などが導かれるのにも役立っている)。
(2-2) 回路方程式を数値計算で解く
これはLSI の設計などで実際に行われている手法である。数値計算で連立一次方程式を解く場合には、直接法と反復法が用いられる。直接法の代表はガウスの消去法であり、反復法には定常法と非定常法がある。定常法の代表はガウスーザイデル法で非定常法はCG(Conjugate Gradient)法の流れを汲む解法である。
ここでは直接法を解説する。これはガウスの消去法に基づく解法である。次の図の回路を考える。
図1
閉路aとbにそれぞれKVLを適用すると
Ea = RaIa + Rb(Ia + Ib)
Eb = RcIb + Rb(Ia + Ib)
を得る。未知数IaとIbの連立方程式として、上の式を整理すると
(Ra + Rb) Ia + Rb Ib = Ea
Rb Ia + (Rb + Rc) Ib = Eb (7)
となる。または、行列Aを A = [Ra + Rb, Rb; Rb, Rb +Rc]と定義すると
A x = b (8)
となる。ただし、x=[Ia; Ib]でb=[Ea;Eb]である。ただし、以上においては行列の表記にMATLABの記号を用いた(これは講義の際に説明する)。
(A) 数式処理 式(7)のように、Ra, Rb, Rcという記号を含んだままこれを解くには数式処理(Computer Algebra)プログラムを用いる必要がある。早稲田大学ではMAPLEとMATHEMATICAのサイトライセンスを購入しているので、学生諸君はこれらを用いて数式処理で解を求める練習をすることができる。
(B) 数値計算 回路解析では通常数値計算が用いられる。数値計算では連立一次方程式は通常ガウスの消去法が用いられる。MATLABはこのような数値計算をするためのインタプリタである。MATLABにはLAPACKという数値計算のプロが開発した高速で、高性能の数値計算パッケージが組み込まれているので、これを利用することが薦められる(その中身については数値計算の講義中で明らかにする)。ここではMATLABによる、連立一次方程式の解き方を示そう。
例としてRa = 1.1, Rb = 2, Rc = 3, Ea =7, Eb =12
の場合を考えよう。MATLABを立ち上げると
>>
というコマンドラインが現れる。ここで、以上のパラメータの値を入れる:
>> Ra=1.1; Rb=2; Rc=3; Ea=7; Eb=12;
ここで、係数行列を入力する。
>> A=[Ra+Rb,Rb;Rb, Rb+Rc]
A =
3.1000 2.0000
2.0000 5.0000
また、右辺ベクトルを入力する。
>> b=[Ea;Eb]
b =
7
12
このとき、連立一次方程式Ax=bの解は
>> x=A\b
x =
0.9565
2.0174
と求められる。\(英語キーボードではバックスラッシュ、日本語キーボードでは円マーク)は連立一次方程式の解を求める記号で、これによりガウスの消去法に基づいてAx=bの解が求められる。
MATLABの詳細については大石の解説を参照されたい。
(2-2) 回路シミュレータSpiceによる解析
回路解析のプログラムとしてはSpiceが重要である。Linux上ではフリーのSpiceが手に入る。Windows上で動くSpiceとしては次のものがフリーで手に入る。
spice opus (licenceを読んで、それを遵守できることを確認してダウンロードすること)
インストールはzipファイルを解凍してできるフォルダ内のSetup.exeをダブルクリックすればよい。
例題1. MATLABで解いたのと同じ回路を解いてみよう。
SpiceOpusを立ち上げると
SpiceOpus (c) 1->
というプロンプトがでる。そこで、回路のネットリストを編集するというコマンドを入力する:
SpiceOpus (c) 1 -> edit C:\SpiceOpus\ex\ex2.cir
するとメモ帳が立ち上がるので、そこで、つぎのようなネットリストをメモ帳に入力する:
TITLE ex2.cir
V1 1 0 7V
V2 3 0 12V
Ra 1 2 1.1
Rb 2 3 3
Rc 2 0 2
.DC V1 7 7 1
.DC V2 12 12 1
.END
そしてメモ帳を上書き保存する。ここで、このネットリストをSpiceに読み込む:
SpiceOpus (c) 2-> c:\SpiceOpus\ex\ex2.cir
Circuit: TITLE test.cir
ここで、Spiceを走らせる。
SpiceOpus (c) 3-> run
すべての枝での情報を表示させるとつぎのようになる。
SpiceOpus (c) 4-> show all
Resistor: Simple linear resistor
device rc rb ra
model R R R
resistance 2 3 1.1
i 2.97 -2.02 0.957
p 17.7 12.2 1.01
m 1 1 1
Vsource: Independent voltage source
device v2 v1
model V V
dc 12 7
acmag 0 0
m 1 1
i -2.02 -0.957
p 24.2 6.7
赤で示した部分からMATLABと同じ結果が得られていることがわかる。
例題2 上と同じ回路
Va=50V, Vb=0V, Ra=100, Rb=200, Rc=50の場合
ネットリスト(ex3.cir)
DC circuit with R
V 1 0 50V
R1 1 2 100
R2 2 3 50
R3 2 0 200
R4 3 0 150
.DC V 50 50 1
.end
Spiceによる解析
SpiceOpus (c) 1 -> C:\SpiceOpus\ex\ex3.cir
Circuit: DC circuit with R
SpiceOpus (c) 2 -> run
SpiceOpus (c) 3 -> print all
v(1) = 5.000000e+001
v(2) = 2.500000e+001
v(3) = 1.875000e+001
sweep = 5.000000e+001
v#branch = -2.50000e-001
Spiceの使い方へのリンク
CAD特論テキスト(江口 啓博士) ワードファイル
(3) ガウス(Johann Carl Friedrich Gauss)とは誰か
Gauss, Karl Friedrich (1777-1855)
(4) ガウスの消去法の歴史
(1) 講義内容 教科書pp.13-15
ここでは重ね合わせの理について説明する。
歴史的な展望を書いた論文
(Don H. Johnson, Origins of the Equivalent Circuit Concept: The Voltage-Source
Equivalent, Proceedings of the IEEE, APRIL, 2003, pp.636-640.) この中で、テブナンの定理は1853年に出版されたH.Helmholzの論文にすでに記述されていることが述べられている。テブナンの定理が出版されたのは1883年である。重ね合わせの定理は1853年のHelmholzの論文が最初であるとも書かれている。この論文からわかるように、教科書のテブナンの定理の証明は、テブナンのオリジナルな証明の線に沿っている。
(1) 例題
図1の回路を考える。
図2
この回路においてRa=100, Rb=200, Rc=150, RL=200, Ea=75Vとする。RLは負荷であるとして、RL以外の部分のテブナンの等価回路をSpiceを用いて計算してみよう。RLを取り除いたときの電圧をVT, Eaを短絡したときの内部抵抗RTをSpiceにより求めてみる。
そのため、RLを10^12に設定した次のネットリスト(ex3.cir)を用いる:
Thevenin Circuit
V 1 0 75V
R1 1 2 100
R2 2 3 150
R3 2 0 200
R4 3 0 1E12
.DC V 75 75 1
.TF V(3) V
.END
そして、Spiceで解析を行う。
SpiceOpus (c) 1-> C:\SpiceOpus\ex\ex6.cir
Circuit: Thevenin Circuit
SpiceOpus (c) 2-> run
SpiceOpus (c) 3-> show all
Resistor: Simple linear resistor
device r4 r3 r2 r1
model R R R R
resistance 1e+012 200 150 100
i 5e-011 0.25 5e-011
0.25
p 2.5e-009 12.5 3.75e-019 6.25
m 1 1 1 1
Vsource: Independent voltage source
device v
model V
dc 75
acmag 0
m 1
i -0.25
p 18.8
SpiceOpus (c) 4-> print all
input_impedance = 3.000000e+002
output_impedance = 2.166667e+002
transfer_function = 6.666667e-001
この結果から、VT=0.25 * 200=50 V, RT=output_impedance=216.6667であることがわかる。
問 手計算によってこの結果を確認せよ。
Lessons in Electric Circuits Volume I DC
韓国の大学での講義ノート Linear Circuit Analysis, School of Computer Science and Engineering, Seoul National University(http://cslab.snu.ac.kr/course/circuit/data/)
問1. 教科書の第一章末の問題(pp.18-20)を解け。
問2. (発展問題) Spiceをインストールして教科書の第一章末の問題の1.6,1.7を解け。
教科書pp.18-20の問題をレポート課題とした。提出期限が一応過ぎたので、解答例を示す。ただし、教科書の解答はかなりこっていてよい解答であるので、ここではSpiceを用いて解いたらどうなるかを示そう。あまりに簡単すぎるものと、パラメータが含まれているようなものは解答を省略する。採点しての講評はまた後で。
図問1.1の回路の端子a,b間に1Vの定電圧源を接続した回路を考える。この回路のネットリストは
Prob1.1
V1 1 0 1V
R1 2 1 10
R2 3 1 10
R3 3 2 10
R4 2 0 10
R5 3 0 10
.DC V1 1 1 1
.PRINT DC I(V1)
.END
である。PSPICEの解析結果は
V1 I(V1)
1.000E+00 -1.000E-01
である。すなわち、電流は0.1[A]であるから、抵抗は
R=V1/I(V1)=1/0.1=10[Ω]
である。
図問1.2の回路の端子a,b間に1Vの定電圧源を接続した回路を考える。この回路のネットリストは
Prob1.2
V1 1 0 1V
R1 2 1 10
R2 3 1 10
R3 4 2 10
R4 5 2 10
R5 5 3 10
R6 6 3 10
R7 7 4 10
R8 7 5 10
R9 8 5 10
R10 8 6 10
R11 7 0 10
R12 8 0 10
.DC V1 1 1 1
.PRINT DC I(V1)
.END
である。PSPICEの解析結果は
V1 I(V1)
1.000E+00 -6.667E-02
である。すなわち、電流は0.0667[A]であるから、抵抗は
R=V1/I(V1)=1/0.0667=15[Ω]
である。
解答はQ & Aに示した。
図問1.7の回路のネットリストは
prob1.7
V1 1 0 10
R1 2 1 10
R2 2 0 20
R3 3 2 10
R4 3 0 20
R5 4 3 10
R6 4 0 10
.DC V1 10 10 1
.PRINT DC V(2), V(3), V(4)
.END
である。PSPICEによる解析結果は
V1 V(2) V(3) V(4)
1.000E+01 5.000E+00 2.500E+00 1.250E+00
である。よって、V1=5[V], V2=2.5[V], V3=1.25[V]
である。
端子a,bから見たテブナンの等価回路を求めるためにR=10^{12}であるとした、図問1.9の回路を考える。ネットリストは
Prob1.10
V1 1 0 100
R1 2 1 30
R2 3 1 20
R3 0 2 20
R4 0 3 30
R5 2 3 1E12
.DC V1 100 100 1
.TF V(2,3) V1
.END
である。PSPICEによる解析結果は
V(2,3)/V1 = -2.000E-01
INPUT RESISTANCE AT V1 = 2.500E+01
OUTPUT RESISTANCE AT V(2,3) = 2.400E+01
となる。赤字で示した結果からテブナンの等価回路が求められる。後は教科書の解答と同じ。
図1.10の回路のネットリストは
Prob1.10
V1 1 0 100
V2 2 3 100
R1 2 1 40
R2 3 1 80
R3 0 2 60
R4 0 3 20
.DC V1 100 100 1
.PRINT DC I(V1), I(V2)
.END
となる。PSPICEによる解析結果は
V1 I(V1) I(V2)
1.000E+02 -1.400E+00 -1.500E+00
よって、V_Aでの消費電力は140W, V_Bでの消費電力は150Wとなる。
©大石進一